奈良県吉野郡吉野町
奈良県吉野郡吉野町は、吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されている地域であり、吉野杉、吉野葛などの名産品や歴史建造物等の観光資源を有している。しかし、少子高齢化や人口減少、空き家、伝統工芸の継承といった解決すべき課題が山積している。このような状況は、過疎化が進む地域の共通課題である。そのような背景の中で、吉野町は総務省平成30年度シェアリングエコノミー活用推進事業の採択を契機に、シェアリングエコノミーを活用した地域の課題解決に取り組んでいる。その結果、住民同士、あるいは住民と旅人の間にシェアの関係が生まれ、地域活性化と関係人口の増加をもたらすなどの成果が見られている。人は何をシェアしているのか、そのシェアを動機付ける要因は何なのだろうか。本ケースでは、町長、役場職員、町議会議員、地域住民、地域おこし協力隊、移住者、旅人へのインタビューと現地取材をもとに、行政と住民の協働のまちづくりについて学ぶ。