私が師事したクレイトン・クリステンセン・ハーバードビジネススクール教授は、「本当の幸せを見つけ る秘訣は、自分にとって有意義だと思える機会を常に求め続けることだ。それは新しいことを学び、成 功を重ね、ますます多くの責任を引き受けることだ」と述べています。そして、「自分の愛することを仕 事に選びなさい。そうすればあなたは一生のうち、一日も働く必要がなくなる」とも言われています。 逆に、「直ちに見返りが得られるものに自分のリソースを投資し続けているうちに、結局は世界で一 番大切なはずの人たちをおろそかにしてしまう」おそれがあると警告もしています。 企業におけるイノベーションも、ともすれば短期的な成果が見込める「持続的イノベーション」ばかり に力を注ぎがちですが、そうすると「サクセス・トラップ」にはまってしまい、歴史ある大企業であっても 「破壊的イノベーション」に顧客を奪われ、破壊されてしまうことが知られています。 私ども関西学院大学経営戦略研究科が提供する経営学や会計学をはじめとする学問は、企業が 破壊されてしまうことからの救いとなるのみならず、病院、自治体、大学などの公的組織の運営、さら には私たち個人が限られた人生をよりよく生き、優れた「人生の経営者」となるための指針をも与え てくれるのです。