2023/9/27

公的機関に携わる公認会計士へ。大学院でプラスαの知識を得て、将来の道を広げる

赤松 典子さん

会計専門職専攻(アカウンティングスクール)

2019年3月修了

プロフィール
大手監査法人勤務。大阪大学人間科学部卒業後、裁判所事務官として5年ほど働いた後、公認会計士の勉強を開始。2017年9月関西学院大学アカウンティングスクール入学。2019年修了。2021年公認会計士試験に合格し、現職に至る。

学び始めたきっかけは?
裁判所事務官として勤務する中で、徐々に人との関わりや仕事の範囲が限られていることに窮屈さを感じるようになりました。そんな折に、夫の父が公認会計士として幅広いフィールドで活躍している姿に憧れ、一念発起。当初は資格学校に通うも、受験のための勉強に物足りなさを覚え、本大学院への入学を決めました。元公務員である経歴を生かし、目標に掲げたのが公的機関に携わる公認会計士。そのための公監査や公会計はもちろん、経営や法律等のプラスαの知識を専門的に学べる点から本学に決めました。

合格までの経緯や道のり
私は、社会人として働き出すまで簿記に触れたことがありませんでした。公認会計士という仕事を身近に感じるようになったことをきっかけに、まずは働きながら簿記3級、2級に合格しました。その後、せっかくなら公認会計士の勉強をしてみようと思い、社会人5年目が過ぎた頃に退職し、公認会計士の勉強を開始しました。
当初は公認会計士試験の資格学校に通って勉強をしていましたが、受験のためだけの勉強に息苦しさを感じたことや、既卒者であることから入社後のプラスαとして周りと違う知識や経験を身に付ける必要があると考え、より実務に即した知識を得られる本学への進学を決めました。
会計大学院を修了した次の5月の短答式試験に合格し、3回目の論文式試験で最終合格。この数年間の中で、公認会計士試験合格にとどまらず、会計大学院で学べたことから、理論と実務の多面的な角度から会計や監査について捉えられるようになったと実感しています。会計大学院に入学する決断をした過去の自分を褒めてあげたいです。

在学中の過ごし方は?
退職して大学院に通っていたので、基本的には毎日勉強していました。自習室で勉強する時間がほとんどでしたが、友人と一緒にランチやお茶をすることで息抜きをしてバランスをとっていました。留学生の友人たちとは勉強を教えあううちにプライベートでも仲良くなり、一緒に遊びに出かけたりスポーツをしたりと、かけがえのない友人となりました。そんな彼女たちが母国以外の大学院で専門的な勉強をしている姿勢を見て、私も頑張ろうといつも思わせられました。このように、切磋琢磨し尊敬し合える友人ができたこと、そして彼女たちとともに勉強できたことは私の人生において大きな出来事でした。彼女たちとは卒業後の現在でも頻繁に連絡を取り合っています。

関学ASの授業が公認会計士試験にどう活きましたか?
経営管理論で学んだフローチャートを使った勉強法は、財務会計論、監査論、企業法その他の理論科目を理解し暗記するのに大いに活きました。また、会計や監査のみならず、企業法の授業が充実していたのも大変心強かったです。現役の弁護士である先生が公認会計士短答式試験の「企業法」の過去問を用いて指導する授業では、企業法への理解が進むだけでなく、過去問を何度も解くことで、短答式試験へ直結する対策ができました。

公認会計士試験合格後の現在の状況は?
現在は、公認会計士試験合格者として監査法人で働いています。そして、私が公認会計士試験を目指すきっかけとなった「公的機関に携わる公認会計士になりたい」という夢のとおり、まさに公的機関に携わる部署(パブリック部門)に配属していただき、病院や学校、社会福祉法人等の監査に従事しています。当期からは、公益法人と病院の監査現場の責任者にも任命されました。
パブリック部門の魅力は、クライアントさんとともに内部統制の構築について検討したり、職員の方の異動にあわせて研修講師をおこなったりすることで「ありがとう」と言っていただく機会が多いところです。自分の学んできた知識が人の役に立っていると実感してやりがいを感じられるとともに、さらに会計や監査の知識を身につけ、信頼される公認会計士になっていきたいと思っています。

印象に残っている科目は?
【公監査論】
元自治体職員の先生から自治体内部における監査制度を学びます。一人ひとりに質問を投げかける対話形式であることが特徴でした。知識を受け取るだけではなく、主体的に考えることで理解がより深まりました。

【経営管理論】
経営理論を体系的に学ぶためにフローチャートを作成し、様々な理論の関係性や違いを整理しました。知識を体系化する面白さを実感でき、フローチャートを用いた情報整理は公認会計士試験の勉強にも役立ちました。

お金のやりくり法
関西学院大学大学院独自の「ベーツ第1種支給奨学金制度」で在学中の授業料の半額を支給いただきました。秋入学や早期修了制度によって在学期間を柔軟に調整できたことも良かったです。

ある一日のスケジュール

10:00 平日は午前から大阪梅田キャンパスで自習。アクセスが良く、自習室や図書室があり、課題や試験勉強を行うのに最適でした。
12:00 ランチ。関西学院大学アカウンティングスクールには留学生も多く在籍しています。留学生の友人もでき、修了後も連絡を取り合っています!
13:00 大阪梅田キャンパスで自習。経営管理論で学んだフローチャートを用いて公認会計士試験の財務会計論や管理会計論、監査論、企業法などの知識を整理しました。
15:00 空き教室を借りて同期の学生と一緒に勉強。質問し合ったり、教え合ったりすることで自分では得られない気づきがあり、理解が進みました。
18:30 講義を受講。平日は夜間に大阪梅田キャンパスで、土日は西宮上ケ原キャンパスで終日、講義が行われています。働きながらでも受講できる時間割なので、社会人の方も学ばれていました。
21:30 講義終了。大学院での素敵な先生方との出会いから、将来は先生方のように講師として大学院の教壇に立ちたいという夢も抱くようになりました。