ハッピーキャリアプログラム 女性のキャリアアップ・起業コース ーリカレント教育ー

News&Information最新情報

人的資源とキャリア開発 大内 章子 先生

2022.06.08 プログラム概要掲載

人的資源とキャリア開発

関西学院大学 経営戦略研究科 教授
大内 章子

人を雇用管理する人的資源管理?私は人事部で働いているわけではないし、管理職で部下を持っているわけでもないから関係ないわ…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、働く人なら誰にでも関係があるものです。誰とも接しないで一人で働いている人はいませんし、働いているあなたこそ企業にとって大切な「人」で、会社で自分がどのように管理されているか、上司はどのような思いで自分や部下に接しているのかを知ることができるからです。

企業が経営していくうえで必要な経営資源はヒト、モノ、カネ、情報。ヒトはこれら経営資源を扱える唯一の資源です。そのヒトをどのように雇用管理するかは企業の経営を左右します。その人的資源管理とは何か、ヒトの特徴は何か、というのが初回授業のテーマです。
第2回目のテーマは、企業の人材育成がどのように行われるのか、です。何気なく受けてきた配置転換・異動にどういう意味があるのかを考えていきます。第3回目のテーマはキャリア開発。企業の人材育成によって個人のキャリアがどのように開発されているのかを学びます。第4回目は企業の人材育成とワークライフバランスが車の両輪の関係にあることを学びます。

この授業での特徴は三つあります。一つ目は、講義の中で、「皆さんの企業ではいかがですか」「具体例を考えてみてください」といった問いかけをよくすることです。ご自身の会社のこと、ご自身が働いている中で感じていることなど身近な例で考えていただくと、各社の事例がたくさん挙がってきて、自分の企業では当たり前だと思っていたことが他社では違う、ということに気づいたり、自社の問題点を発見したりします。理論は事例に置き換えるとよく理解できるものです。

二つ目は、ビジネススクールで行われるケースメソッド授業を毎週行うことです。実際の企業のケースを授業当日までに読んで「①A社が高い患者満足度を得られているのはなぜか。②A社の経営理念はどういう役割を果たしているか。」といった課題に取り組んでいただきます。そして授業でグループやクラスでディスカッションすることで、学んだ理論を実践に落とし込む訓練をしていきます。

三つ目は、この授業が同じ経営戦略研究科の他のコースとの合同授業であることです。女性リーダー育成コースの受講生や他コースの男女受講生とともにビジネスケースについてディスカッションするのです。多様な人々が自社の事例を出したり、ケースディスカッションしたりすることで、視野が広がります。

2020年以降、コロナ禍によるオンライン授業となっても、ディスカッションは変わらず熱心に行われています。グループに分かれて、それぞれ工夫して、ディスカッションを短時間で資料にまとめ発表しています。

ディスカッションするときの皆さんの真剣なまなざしはとても素敵です。本プログラムの修了生が、一生の仲間ができた、と口をそろえて言うのは、数々の授業で真剣にディスカッションする、いわば「同じ釜の飯を食う」ことを通じて成長していくからです。一人でも多くの方に同じような経験をしていただきたいと思っております。

ページ上部へ戻る